量子力学の解釈色々:シュレディンガーの猫とか 前編
注意:今回は日記的なあれじゃないです。理系なお話です
大学生ですからもちろん勉強もするわけです。研究室で量子力学の勉強をしていると、なにやら方程式の未知定数を決定するための条件として、「波動関数φ(x)はx→∞で収束するから・・・」みたいな記述をみました。問題を解いていて何回か見かけたことはあるけど、どういうことか良く分かってないままとりあえずそういうもんだということで覚えてました。でもなーんか気になったのでちょっと調べてみたら意外と興味深いものだったので今回はそんなお話。数学的なお話にはならないように努力します。あと自分へのメモ的な役割があるんでちょいちょい間違えてるかも知れません。その辺は留意してどうぞ
で、考えやすい例はないかなーと考えた結果、王道ですがこれ。
「シュレディンガーの猫」
ちょろっとならご存知の人も多いでしょう。簡単に説明しますと、
- 箱と猫を用意します
- 箱に放射性物質を入れます。ラジウムとかね
- 放射性物質はランダムでアルファ崩壊して放射線を出します。箱の中に放射線を検出する機械と青酸ガスの発生装置をおきます。
- 検出器が放射線を検出すると青酸ガスが出ます。猫の生死はこの青酸ガスが出たかどうかのみで決まると仮定します。もちろん出たら死んでしまいます。
- 猫を箱の中に入れ外からは観測できないように蓋をします。
- 一定時間後、猫は死んでるか生きてるか?
という思考実験です。(実際にやったわけじゃありません。)
これを頭に入れた上でこっから量子力学のお話。
量子力学には「観測問題」と呼ばれている未解決問題があります。
ミクロの世界では粒子は波のような性質を持っているということが分かり「意味分からん」と当時の物理学者は頭を抱えていたそうな。
そりゃそうでしょうな。波の性質を持ってるってことは、「重ね合わせの原理」が成り立ってるって事です。これは海の波なんかを想像してもらえれば分かりやすいかと思います。例えば右から来る波と左からくる波がぶつかったら大きな1つの波になりますよね、そこには2つの波が同時に存在してることになります。それが重ねあわせです。
波の状態を式に書いたものを「波動関数」というわけですがこれがまた厄介な代物で本質的に何を意味しているのか分からないんだそうです。波動関数はいろいろな状態の重ね合わせによって表現されます。つまり、複数の状態が同時に存在することができるということになるわけです。でも実際、我々が「観測」したとき複数の状態を同時にとってるなんてことはありえません。ある1つの状態を我々は「観測」することになります。
説明は省きますが量子力学は比較する対象として「観測」前の状態を知ることができません。いろいろな状態が重なり合っていた波動関数が「観測」したときには1つの状態に決定している。不思議ですねー。
これを猫の話にあてはめると、箱をあけるまで生か死かという2つの状態のどちらになっているか分かりませんが、開けたときには生きているか死んでいるかのどちらか1つのはずです。
これを解釈する方法がいくつか考えられていて、代表的なものには「コペンハーゲン解釈」と「エヴェレットの多世界解釈」があります。
まだ本題の波動関数の収束については全く説明してませんがもう半分登場してるようなもんです。この次に上の二つの解釈の説明しようかなーなんて思いますが波動関数の収束はこのうち「コペンハーゲン解釈」に関係するものです。
どうでもいいけど多世界解釈ってなんかSF的な魅力を感じるワードじゃないですかね